PrincessJIWOOちゃんFanの皆様こ(^o^) ん(^O^) に(^^) ち(^-^)は!!!
音楽の検索をしていたら『ソナタについて』と言う言葉が目に入りました。
今まで何気なく口にしていた『ソナタ』・・・よく意味が解りませんでした。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ご存知ない皆様のために~~~(*^ー^)人(*^-^*)人(^ー^*)
長文のため、お時間のある時に見ていただければと思います^^
♪♪♬♫♩♪
♪クラシック音楽館♪
ソナタ(Sonata)
ソナタについて
ソナタとは元々カンタータ(声楽曲)に対する器楽曲の意味の言葉であるが,ふつうは特定の様式に従って作曲される器楽曲のことを指す。
ソナタの基本型は4つの楽章から成る。第1楽章はソナタ形式で書かれ,ふつうは全曲の中心となり,最も豊かな内容を持った楽章になる。第2楽章は,ゆったりとしたテンポの歌曲風の楽章になり,形式も3部形式や変奏曲形式など,比較的緩い形式が使用される。第3楽章はメヌエットやスケルツォなどの舞曲で書かれ,ふつうは3部形式をとる。第4楽章(フィナーレ)は,ロンド形式やソナタ形式が用いられることが多い。
もちろんこれには例外も存在する。何れかの楽章を欠いていたり,別な楽章が追加されていたり,楽章の順番が入れ替えられていたりしている。
ソナタには様々な楽器向けのものがある。ピアノソナタはピアノの独奏によるソナタであるが,それ以外のソナタ(ヴァイオリンソナタ,フルートソナタなど)は,ふつうはピアノの伴奏を伴う。例えばヴァイオリンの独奏によるソナタは,ヴァイオリン独奏ソナタと言われる。また,オーケストラのためのソナタは交響曲,オーケストラと独奏楽器のためのソナタは協奏曲と呼ばれる。
作曲家のソナタ
ベートーヴェン
ピアノソナタ第8番ハ短調
ピアノソナタ第28番イ長調(♪)
ピアノソナタ第31番変イ長調(♪)
ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」 作品13
概要
ピアノソナタとしての第一歩
ピアノソナタで第8番にもなる「悲愴」が,どうして第一歩なのかと首を傾げるかもしれない。
しかし,この曲より前のピアノソナタは,ピアノ曲でありながらピアノのために作られた曲ではなかった。ハープシコードのために作られた曲だったからである。ベートーヴェンの前期の頃までは,まだピアノ(ピアノフォルテ)よりもハープシコードのほうが一般的だった。やっと出てきたピアノも,現在のピアノとはほど遠いもので,現在のようなピアノの出現は,ベートーヴェンの曲で言えばピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」の頃まで待たなければならない。そういえば,ハイドンの後期の交響曲の中では,珍しく鍵盤楽器のソロが入る交響曲第98番も,ピアノではなくハープシコードが使用されている。
ハープシコードとピアノの最大の違いは,音に強弱が付けられるようになったことである(ピアノフォルテの名前も,強弱が付けられるという意味である)。ベートーヴェンがいつ頃からピアノフォルテを意識し始めたのかは分からないが,この「第8番」の第1楽章の序奏は,明らかにそれを意識しているだろう。もっとも,それ以外の楽章ではさほど利用されているわけでもないのだが……。
よみがえった旋律
「悲愴」の第2楽章の主題 は,とにかく名旋律であり,知名度も高いだろう。単独で聴いてもいい旋律だが,叩きつけるように激しく終了する第1楽章 に続いて,哀愁を帯びた,歌曲的な主題が現れるのは,強く印象に残るものである。
ベートーヴェンは,自分の気に入った旋律を他の作品に使いまわす例がよく見られる。有名なものが「英雄の主題による15の変奏曲」や「トルコ行進曲の主題による6つの変奏曲」の主題。前者は後に交響曲第3番変ホ長調「英雄」の終楽章に使用されて有名になったし,後者は劇音楽「アテネの廃墟」で「トルコ行進曲」として使われ有名になった。どちらの場合も,後から作曲されて有名になった曲の名前が,以前の作品である変奏曲の名前に反映されているところが興味深いのだが。
あまり有名ではないが,「悲愴」の第2楽章の主題も,他に使い回されている場面がある。それは「交響曲第10番ハ短調」,ベートーヴェンが第九の後に作曲を始めていたが,1楽章も完成できずに終わった幻の交響曲。第1楽章の緩やかな序奏が,「悲愴」の第2楽章の主題にそっくりなのである。交響曲第10番ハ短調は,第1楽章のみが演奏できる形に補筆されており,CDも発売されているので,機会があれば聴いていただきたい。
また,後年チャイコフスキーが,その名も「悲愴交響曲」(交響曲第6番ロ短調)で,第1楽章の冒頭の旋律に似た旋律を使用しているが,それはまた別の話である。
ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」 作品13
概要
ピアノソナタとしての第一歩
ピアノソナタで第8番にもなる「悲愴」が,どうして第一歩なのかと首を傾げるかもしれない。
しかし,この曲より前のピアノソナタは,ピアノ曲でありながらピアノのために作られた曲ではなかった。ハープシコードのために作られた曲だったからである。ベートーヴェンの前期の頃までは,まだピアノ(ピアノフォルテ)よりもハープシコードのほうが一般的だった。やっと出てきたピアノも,現在のピアノとはほど遠いもので,現在のようなピアノの出現は,ベートーヴェンの曲で言えばピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」の頃まで待たなければならない。そういえば,ハイドンの後期の交響曲の中では,珍しく鍵盤楽器のソロが入る交響曲第98番も,ピアノではなくハープシコードが使用されている。
ハープシコードとピアノの最大の違いは,音に強弱が付けられるようになったことである(ピアノフォルテの名前も,強弱が付けられるという意味である)。ベートーヴェンがいつ頃からピアノフォルテを意識し始めたのかは分からないが,この「第8番」の第1楽章の序奏は,明らかにそれを意識しているだろう。もっとも,それ以外の楽章ではさほど利用されているわけでもないのだが……。
よみがえった旋律
「悲愴」の第2楽章の主題 は,とにかく名旋律であり,知名度も高いだろう。単独で聴いてもいい旋律だが,叩きつけるように激しく終了する第1楽章 に続いて,哀愁を帯びた,歌曲的な主題が現れるのは,強く印象に残るものである。
ベートーヴェンは,自分の気に入った旋律を他の作品に使いまわす例がよく見られる。有名なものが「英雄の主題による15の変奏曲」や「トルコ行進曲の主題による6つの変奏曲」の主題。前者は後に交響曲第3番変ホ長調「英雄」の終楽章に使用されて有名になったし,後者は劇音楽「アテネの廃墟」で「トルコ行進曲」として使われ有名になった。どちらの場合も,後から作曲されて有名になった曲の名前が,以前の作品である変奏曲の名前に反映されているところが興味深いのだが。
あまり有名ではないが,「悲愴」の第2楽章の主題も,他に使い回されている場面がある。それは「交響曲第10番ハ短調」,ベートーヴェンが第九の後に作曲を始めていたが,1楽章も完成できずに終わった幻の交響曲。第1楽章の緩やかな序奏が,「悲愴」の第2楽章の主題にそっくりなのである。交響曲第10番ハ短調は,第1楽章のみが演奏できる形に補筆されており,CDも発売されているので,機会があれば聴いていただきたい。
また,後年チャイコフスキーが,その名も「悲愴交響曲」(交響曲第6番ロ短調)で,第1楽章の冒頭の旋律に似た旋律を使用しているが,それはまた別の話である。
ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」 作品13
概要
ピアノソナタとしての第一歩
ピアノソナタで第8番にもなる「悲愴」が,どうして第一歩なのかと首を傾げるかもしれない。
しかし,この曲より前のピアノソナタは,ピアノ曲でありながらピアノのために作られた曲ではなかった。ハープシコードのために作られた曲だったからである。ベートーヴェンの前期の頃までは,まだピアノ(ピアノフォルテ)よりもハープシコードのほうが一般的だった。やっと出てきたピアノも,現在のピアノとはほど遠いもので,現在のようなピアノの出現は,ベートーヴェンの曲で言えばピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」の頃まで待たなければならない。そういえば,ハイドンの後期の交響曲の中では,珍しく鍵盤楽器のソロが入る交響曲第98番も,ピアノではなくハープシコードが使用されている。
ハープシコードとピアノの最大の違いは,音に強弱が付けられるようになったことである(ピアノフォルテの名前も,強弱が付けられるという意味である)。ベートーヴェンがいつ頃からピアノフォルテを意識し始めたのかは分からないが,この「第8番」の第1楽章の序奏は,明らかにそれを意識しているだろう。もっとも,それ以外の楽章ではさほど利用されているわけでもないのだが……。
よみがえった旋律
「悲愴」の第2楽章の主題 は,とにかく名旋律であり,知名度も高いだろう。単独で聴いてもいい旋律だが,叩きつけるように激しく終了する第1楽章 に続いて,哀愁を帯びた,歌曲的な主題が現れるのは,強く印象に残るものである。
ベートーヴェンは,自分の気に入った旋律を他の作品に使いまわす例がよく見られる。有名なものが「英雄の主題による15の変奏曲」や「トルコ行進曲の主題による6つの変奏曲」の主題。前者は後に交響曲第3番変ホ長調「英雄」の終楽章に使用されて有名になったし,後者は劇音楽「アテネの廃墟」で「トルコ行進曲」として使われ有名になった。どちらの場合も,後から作曲されて有名になった曲の名前が,以前の作品である変奏曲の名前に反映されているところが興味深いのだが。
あまり有名ではないが,「悲愴」の第2楽章の主題も,他に使い回されている場面がある。それは「交響曲第10番ハ短調」,ベートーヴェンが第九の後に作曲を始めていたが,1楽章も完成できずに終わった幻の交響曲。第1楽章の緩やかな序奏が,「悲愴」の第2楽章の主題にそっくりなのである。交響曲第10番ハ短調は,第1楽章のみが演奏できる形に補筆されており,CDも発売されているので,機会があれば聴いていただきたい。
また,後年チャイコフスキーが,その名も「悲愴交響曲」(交響曲第6番ロ短調)で,第1楽章の冒頭の旋律に似た旋律を使用しているが,それはまた別の話である。
ピアノソナタ第31番変イ長調 作品110
概要
最高の完成度を誇るピアノソナタ
この31番目のピアノソナタは,次の第32番(ベートーヴェンの番号つきピアノソナタとして最後の作)と合わせて,ベートーヴェンのピアノソナタの双璧をなすものといえる。
2曲の性格は驚くほど違うものであるが,誤解を恐れずに一言で表現してみれば,第31番は「秩序」,第32番は「解放」とも言うべきだろうか。31番が古典的なピアノソナタに下地を置いているのに対し,32番は歌曲からのアプローチが強いためかもしれない。
古典的なピアノソナタに下地を置いているとはいえ,この曲はあまりクラシック音楽に慣れていない人でも聞きやすいと思う。たとえば,この曲と第29番(「ハンマークラヴィーア」)を比べてみるとわかるだろう。第29番にあったような強いコントラストや複雑怪奇な展開が避けられている。つまり,聴き手にエネルギーを要求しない曲なのである。
だからと言って,この曲が薄っぺらなわけではない。むしろ逆で,豊かな楽想と見事な構成に支えられた曲である。
たとえばこのピアノソナタは,第3楽章がフーガで終わるという珍しいものである。ベートーヴェン自身は,この曲の前にも第29番(「ハンマークラヴィーア」)の終楽章をフーガで終わらせている。しかし,「ハンマークラヴィーア」のフーガが非常に長くて難解だったのに対し,この曲のフーガは長くもないし,展開もおとなしい。特に,この曲では間に歌曲風のゆったりした部分が含まれているため,ここが息抜きにもなる。
ベートーヴェンの中期の曲に見られるような,息の詰まるような展開を避けつつ豊かな楽想を織り込む,後期のベートーヴェンでないと書けない曲だったのかもしれない。
出処:クラシック音楽館より
音楽の検索をしていたら『ソナタについて』と言う言葉が目に入りました。
今まで何気なく口にしていた『ソナタ』・・・よく意味が解りませんでした。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ご存知ない皆様のために~~~(*^ー^)人(*^-^*)人(^ー^*)
長文のため、お時間のある時に見ていただければと思います^^
♪♪♬♫♩♪
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ソナタ(Sonata)
ソナタについて
ソナタとは元々カンタータ(声楽曲)に対する器楽曲の意味の言葉であるが,ふつうは特定の様式に従って作曲される器楽曲のことを指す。
ソナタの基本型は4つの楽章から成る。第1楽章はソナタ形式で書かれ,ふつうは全曲の中心となり,最も豊かな内容を持った楽章になる。第2楽章は,ゆったりとしたテンポの歌曲風の楽章になり,形式も3部形式や変奏曲形式など,比較的緩い形式が使用される。第3楽章はメヌエットやスケルツォなどの舞曲で書かれ,ふつうは3部形式をとる。第4楽章(フィナーレ)は,ロンド形式やソナタ形式が用いられることが多い。
もちろんこれには例外も存在する。何れかの楽章を欠いていたり,別な楽章が追加されていたり,楽章の順番が入れ替えられていたりしている。
ソナタには様々な楽器向けのものがある。ピアノソナタはピアノの独奏によるソナタであるが,それ以外のソナタ(ヴァイオリンソナタ,フルートソナタなど)は,ふつうはピアノの伴奏を伴う。例えばヴァイオリンの独奏によるソナタは,ヴァイオリン独奏ソナタと言われる。また,オーケストラのためのソナタは交響曲,オーケストラと独奏楽器のためのソナタは協奏曲と呼ばれる。
作曲家のソナタ
ベートーヴェン
ピアノソナタ第8番ハ短調
ピアノソナタ第28番イ長調(♪)
ピアノソナタ第31番変イ長調(♪)
ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」 作品13
概要
ピアノソナタとしての第一歩
ピアノソナタで第8番にもなる「悲愴」が,どうして第一歩なのかと首を傾げるかもしれない。
しかし,この曲より前のピアノソナタは,ピアノ曲でありながらピアノのために作られた曲ではなかった。ハープシコードのために作られた曲だったからである。ベートーヴェンの前期の頃までは,まだピアノ(ピアノフォルテ)よりもハープシコードのほうが一般的だった。やっと出てきたピアノも,現在のピアノとはほど遠いもので,現在のようなピアノの出現は,ベートーヴェンの曲で言えばピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」の頃まで待たなければならない。そういえば,ハイドンの後期の交響曲の中では,珍しく鍵盤楽器のソロが入る交響曲第98番も,ピアノではなくハープシコードが使用されている。
ハープシコードとピアノの最大の違いは,音に強弱が付けられるようになったことである(ピアノフォルテの名前も,強弱が付けられるという意味である)。ベートーヴェンがいつ頃からピアノフォルテを意識し始めたのかは分からないが,この「第8番」の第1楽章の序奏は,明らかにそれを意識しているだろう。もっとも,それ以外の楽章ではさほど利用されているわけでもないのだが……。
よみがえった旋律
「悲愴」の第2楽章の主題 は,とにかく名旋律であり,知名度も高いだろう。単独で聴いてもいい旋律だが,叩きつけるように激しく終了する第1楽章 に続いて,哀愁を帯びた,歌曲的な主題が現れるのは,強く印象に残るものである。
ベートーヴェンは,自分の気に入った旋律を他の作品に使いまわす例がよく見られる。有名なものが「英雄の主題による15の変奏曲」や「トルコ行進曲の主題による6つの変奏曲」の主題。前者は後に交響曲第3番変ホ長調「英雄」の終楽章に使用されて有名になったし,後者は劇音楽「アテネの廃墟」で「トルコ行進曲」として使われ有名になった。どちらの場合も,後から作曲されて有名になった曲の名前が,以前の作品である変奏曲の名前に反映されているところが興味深いのだが。
あまり有名ではないが,「悲愴」の第2楽章の主題も,他に使い回されている場面がある。それは「交響曲第10番ハ短調」,ベートーヴェンが第九の後に作曲を始めていたが,1楽章も完成できずに終わった幻の交響曲。第1楽章の緩やかな序奏が,「悲愴」の第2楽章の主題にそっくりなのである。交響曲第10番ハ短調は,第1楽章のみが演奏できる形に補筆されており,CDも発売されているので,機会があれば聴いていただきたい。
また,後年チャイコフスキーが,その名も「悲愴交響曲」(交響曲第6番ロ短調)で,第1楽章の冒頭の旋律に似た旋律を使用しているが,それはまた別の話である。
ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」 作品13
概要
ピアノソナタとしての第一歩
ピアノソナタで第8番にもなる「悲愴」が,どうして第一歩なのかと首を傾げるかもしれない。
しかし,この曲より前のピアノソナタは,ピアノ曲でありながらピアノのために作られた曲ではなかった。ハープシコードのために作られた曲だったからである。ベートーヴェンの前期の頃までは,まだピアノ(ピアノフォルテ)よりもハープシコードのほうが一般的だった。やっと出てきたピアノも,現在のピアノとはほど遠いもので,現在のようなピアノの出現は,ベートーヴェンの曲で言えばピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」の頃まで待たなければならない。そういえば,ハイドンの後期の交響曲の中では,珍しく鍵盤楽器のソロが入る交響曲第98番も,ピアノではなくハープシコードが使用されている。
ハープシコードとピアノの最大の違いは,音に強弱が付けられるようになったことである(ピアノフォルテの名前も,強弱が付けられるという意味である)。ベートーヴェンがいつ頃からピアノフォルテを意識し始めたのかは分からないが,この「第8番」の第1楽章の序奏は,明らかにそれを意識しているだろう。もっとも,それ以外の楽章ではさほど利用されているわけでもないのだが……。
よみがえった旋律
「悲愴」の第2楽章の主題 は,とにかく名旋律であり,知名度も高いだろう。単独で聴いてもいい旋律だが,叩きつけるように激しく終了する第1楽章 に続いて,哀愁を帯びた,歌曲的な主題が現れるのは,強く印象に残るものである。
ベートーヴェンは,自分の気に入った旋律を他の作品に使いまわす例がよく見られる。有名なものが「英雄の主題による15の変奏曲」や「トルコ行進曲の主題による6つの変奏曲」の主題。前者は後に交響曲第3番変ホ長調「英雄」の終楽章に使用されて有名になったし,後者は劇音楽「アテネの廃墟」で「トルコ行進曲」として使われ有名になった。どちらの場合も,後から作曲されて有名になった曲の名前が,以前の作品である変奏曲の名前に反映されているところが興味深いのだが。
あまり有名ではないが,「悲愴」の第2楽章の主題も,他に使い回されている場面がある。それは「交響曲第10番ハ短調」,ベートーヴェンが第九の後に作曲を始めていたが,1楽章も完成できずに終わった幻の交響曲。第1楽章の緩やかな序奏が,「悲愴」の第2楽章の主題にそっくりなのである。交響曲第10番ハ短調は,第1楽章のみが演奏できる形に補筆されており,CDも発売されているので,機会があれば聴いていただきたい。
また,後年チャイコフスキーが,その名も「悲愴交響曲」(交響曲第6番ロ短調)で,第1楽章の冒頭の旋律に似た旋律を使用しているが,それはまた別の話である。
ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」 作品13
概要
ピアノソナタとしての第一歩
ピアノソナタで第8番にもなる「悲愴」が,どうして第一歩なのかと首を傾げるかもしれない。
しかし,この曲より前のピアノソナタは,ピアノ曲でありながらピアノのために作られた曲ではなかった。ハープシコードのために作られた曲だったからである。ベートーヴェンの前期の頃までは,まだピアノ(ピアノフォルテ)よりもハープシコードのほうが一般的だった。やっと出てきたピアノも,現在のピアノとはほど遠いもので,現在のようなピアノの出現は,ベートーヴェンの曲で言えばピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」の頃まで待たなければならない。そういえば,ハイドンの後期の交響曲の中では,珍しく鍵盤楽器のソロが入る交響曲第98番も,ピアノではなくハープシコードが使用されている。
ハープシコードとピアノの最大の違いは,音に強弱が付けられるようになったことである(ピアノフォルテの名前も,強弱が付けられるという意味である)。ベートーヴェンがいつ頃からピアノフォルテを意識し始めたのかは分からないが,この「第8番」の第1楽章の序奏は,明らかにそれを意識しているだろう。もっとも,それ以外の楽章ではさほど利用されているわけでもないのだが……。
よみがえった旋律
「悲愴」の第2楽章の主題 は,とにかく名旋律であり,知名度も高いだろう。単独で聴いてもいい旋律だが,叩きつけるように激しく終了する第1楽章 に続いて,哀愁を帯びた,歌曲的な主題が現れるのは,強く印象に残るものである。
ベートーヴェンは,自分の気に入った旋律を他の作品に使いまわす例がよく見られる。有名なものが「英雄の主題による15の変奏曲」や「トルコ行進曲の主題による6つの変奏曲」の主題。前者は後に交響曲第3番変ホ長調「英雄」の終楽章に使用されて有名になったし,後者は劇音楽「アテネの廃墟」で「トルコ行進曲」として使われ有名になった。どちらの場合も,後から作曲されて有名になった曲の名前が,以前の作品である変奏曲の名前に反映されているところが興味深いのだが。
あまり有名ではないが,「悲愴」の第2楽章の主題も,他に使い回されている場面がある。それは「交響曲第10番ハ短調」,ベートーヴェンが第九の後に作曲を始めていたが,1楽章も完成できずに終わった幻の交響曲。第1楽章の緩やかな序奏が,「悲愴」の第2楽章の主題にそっくりなのである。交響曲第10番ハ短調は,第1楽章のみが演奏できる形に補筆されており,CDも発売されているので,機会があれば聴いていただきたい。
また,後年チャイコフスキーが,その名も「悲愴交響曲」(交響曲第6番ロ短調)で,第1楽章の冒頭の旋律に似た旋律を使用しているが,それはまた別の話である。
ピアノソナタ第31番変イ長調 作品110
概要
最高の完成度を誇るピアノソナタ
この31番目のピアノソナタは,次の第32番(ベートーヴェンの番号つきピアノソナタとして最後の作)と合わせて,ベートーヴェンのピアノソナタの双璧をなすものといえる。
2曲の性格は驚くほど違うものであるが,誤解を恐れずに一言で表現してみれば,第31番は「秩序」,第32番は「解放」とも言うべきだろうか。31番が古典的なピアノソナタに下地を置いているのに対し,32番は歌曲からのアプローチが強いためかもしれない。
古典的なピアノソナタに下地を置いているとはいえ,この曲はあまりクラシック音楽に慣れていない人でも聞きやすいと思う。たとえば,この曲と第29番(「ハンマークラヴィーア」)を比べてみるとわかるだろう。第29番にあったような強いコントラストや複雑怪奇な展開が避けられている。つまり,聴き手にエネルギーを要求しない曲なのである。
だからと言って,この曲が薄っぺらなわけではない。むしろ逆で,豊かな楽想と見事な構成に支えられた曲である。
たとえばこのピアノソナタは,第3楽章がフーガで終わるという珍しいものである。ベートーヴェン自身は,この曲の前にも第29番(「ハンマークラヴィーア」)の終楽章をフーガで終わらせている。しかし,「ハンマークラヴィーア」のフーガが非常に長くて難解だったのに対し,この曲のフーガは長くもないし,展開もおとなしい。特に,この曲では間に歌曲風のゆったりした部分が含まれているため,ここが息抜きにもなる。
ベートーヴェンの中期の曲に見られるような,息の詰まるような展開を避けつつ豊かな楽想を織り込む,後期のベートーヴェンでないと書けない曲だったのかもしれない。
出処:クラシック音楽館より
「冬のソナタ」という言葉を連発してきてはいましたが、
「ソナタ」というものが、
いままでなんとなくおぼろげなイメージでしかわからなかったのです。^^
でも愛さまの情報を読んで、
「ソナタ」について少しわかったようなきがしました。
まずは自分で一度じっくりと本物の「ソナタ」を味わってみようかな~(^O^)