写真= 「冬ソナ」ではピュア、一途な内面を直情的に表現する姿が魅力的だった。しかし初めて会って、スレンダーな長身、細く長い手足は女優というよりモデルが持つ「完ぺき」な印象を受けた。抜群のプロポーションを前に、終始緊張で舞い上がりながらの撮影。取材後「アリガトゴザイマシタ」と去るジウさんに言葉が浮かばず、ただ頭を下げ見送った。「カムサハムニダだったよな…」。今も悔いが残ってます。
将来の夫への注文…「浮気は許さない」
目の前でチェ・ジウが笑っている。29歳。独身。黒のスーツがスッと伸びた背丈を一層際立てる。細く長い手足。白く透明な肌。小さな顔。韓国きっての美人女優が口を開いた。「初めまして」。語感は柔らかく愛くるしい。今年、ドラマ「冬のソナタ」のヒロイン「ユジン」にドキドキさせられた日本男児は多いだろう。「涙の女王」の素顔をたっぷりお届けする。
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予想外のブーム
白い布で覆われたテーブルが邪魔だった。約2メートル先のチェ・ジウが、記者の目をじっと見詰めてくる。こちらもしばらく視線を合わせるのだが、かなり恥ずかしい。細く切れ長の目尻が下がると、妙にうれしかったりする。
--今年の日本は「冬ソナ」に染まった。あなたの人気もすごかった
「本当に驚きました。今回が6度目の来日ですが、来るたびに多くの人が温かく迎えてくださる。女優として幸せを感じます」。
--なぜ日本でこれほど韓国のドラマ、俳優が人気と思いますか
「初めて日本で『冬ソナ』が放送されると聞いたとき、これほど人気が出るとは思いもしませんでした。ただ自分なりに分析しますと、このドラマには人間の基本的な温かさ、愛情が含まれていました。それは日本でも、欧米でも共通の感情です。皆さんが同じ空間に入って、もう一度自分の初恋を自然に思い出したのではないでしょうか」。
--「冬ソナ」20話でであなたは56回泣くシーンを演じた。普段も泣き虫なの
「(手をたたいて笑う)普段はあまり泣かないです。もともと私の性格は楽観的ですから。たとえつらいことがあったとしても、すぎたことはあまり気にしないタイプです。あっ、でもドラマや映画を見て泣くことはありますね。最近はハッピーなので泣きません」。
映画「誰にでも秘密がある」が27日から公開される。主演イ・ビョンホンと3姉妹のラブストーリー。チェ・ジウ演じる二女ソニョンは、妹から彼氏を奪うという大胆な役柄だ。
「シナリオをいただいたときは、この役は無理かなとも思いました。『冬ソナ』の純粋なイメージとはずいぶん違いますから。正直心配はありました。でも役者は、いつも同じような役を続けるよりは、いろいろな役をこなして発展的に活動していくべきではないかとも考えました。不安半分、期待半分で取り組んだ映画です」。
--イ・ビョンホンとのラブシーンもある
「イ・ビョンホンさんとはとても気心が知れていますので、楽しくお仕事ができました。今までは泣き役が多かったけど、今回は楽しく魅力ある作品になったと思います」。
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常に“公人”自覚
韓国での別名は「視聴率メーカー」。今、日本で放送中の「天国の階段」(フジ土曜午後4時)「美しき日々」(NHK総合土曜午後11時10分)は、韓国では最高視聴率40%以上を記録した。韓国紙も「国民は彼女の演技を信頼して見ている」と評価する。
--あなたのドラマはなぜヒットすると思いますか
「それが分かれば、どんなドラマもヒットしますよ。例えば内容がどんなに良くても、放送時期によっても人気の度合いが違ってきます。神様がくれる運もあるでしょう」。
--役者になって今年で10年。つらかったことは
「自分は公人だという自覚を常に持っています。有名になれば、普通の人にある自由が制限されることはあります。でもだからといってそれがつらいとか、嫌だとは思いません」。
--スタイルの維持、常に見られることなどは精神的負担にならないですか
「女優としてスタイルを維持することは当たり前です。それが大変だと思ったら女優はできませんよ。演技は、自分が楽しいと思えなければできないもの。もともと自分は常に、目の前の出来事を楽しもうというタイプ。時にはストレスがたまることもありますが、やるからには楽しもうとしている自分がいますね」。
自分の性格を「意外に芯(しん)が太い」とも分析する。デビュー直後、映画を降板させられる挫折を味わった。乗り越えられたのは、美ぼうの奥底に秘めた「反骨心」なのだろう。
「この世界には最初から才能が備わっている人もいます。私は努力なしにはやっていけないタイプ。例えば、今でもカメラの前で演技するのは窮屈です。でも時間がたつにつれて演技も自然になってきたかなあ、と思います。去年の演技より今年の演技が気に入るようになってきました」。
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会うたび深みを
--もう少し女性としてのあなたを知りたい。「冬ソナ」の「ユジン」は、婚約者「サンヒョク」(パク・ヨンハ)より、初恋の「チュンサン」(ペ・ヨンジュン)を選んだ。あなたならどっちを選ぶ
「現実にですか? えー。考えたことないです(笑い)。ごめんなさい」。
--では自分と「ユジン」の共通点は
「かなり突っ込んだ質問ですね。えー、どうかなあ。『ユジン』にしても『誰にでも―』のソニョンにしても、ある程度本来の自分の姿があると思います」。
--女優になろうと思ったのはいつ
「子供のころから、芸能人には関心がありました。でも本当にそういう世界に出るという考えはありませんでした。大学入学後、18歳のとき、偶然受けたオーディションで運良く合格したんです」。
--女優でなかったら
「子供が好きなので、幼稚園の保育士になっていたでしょうか」。
--美を保つ秘けつは
「特にないんですよ。楽しく仕事して、よく食べ、よく寝る。もちろん運動もしますよ。水はよく飲むようにしています。新陳代謝は大事です」。
--恋はしてますか
「今はしていません」
--理想の男性像は
「仕事を理解してくれ、お互いに尊敬し合えるような間柄になりたいし、価値観が近いということも大事です。あと、私が背が高いので(174センチ)高ければいいですね(笑い)。あまり一目ぼれというものはないです。どちらかといえば、会えば会うほど相手の深みが分かった方が楽しいじゃないですか」。
--将来結婚したとき、夫に「これだけは守って」ということはありますか
「(一瞬ギラリと目を光らせ)それはもちろん『浮気しないで』ということです。当たり前ですよ。映画の『スヒョン』(プレイボーイを演じたイ・ビョンホン)のように浮気したら許しませんよ」。
男心をとろけさせる笑顔からあふれてくる明りょうな言葉が、迷わず、真っすぐに自分の決めた道を歩いていることをうかがわせた。先ほど返答に窮した「ユジン」と「ジウ」の共通点はそこにありそうだ。
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日本女性のような奥ゆかしさ
「冬のソナタ」でチェ・ジウの声を担当した女優田中美里(27) 韓国の俳優さんは喜怒哀楽がはっきりしていて、激しい感情表現をすることが多いのですが、ジウさんの場合は一歩引いた形で感情が内側から出ています。日本女性のような奥ゆかしさを持っていますね。NHKの番組収録でお会いしましたが、きれいだけど、親しみやすく、それでいてとてもチャーミング。普通の感覚を大切にされる方だと思いました。シャイな部分もあって、日本の方に受けるのが分かったような気がしました。
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◆天国の階段 フジテレビ土曜午後4時放送中。全22話。チェ・ジウ、クォン・サンウ主演。03年12月から韓国SBSで放送され、最高視聴率44・1%。幼いころから家族以上のきずなで結ばれてきた男女が、苦難を乗り越え成長する物語
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◆チェ・ジウ(崔志宇、本名・チェ・ミヒャン) 1975年5月11日、韓国・京畿道坡州(パジュ)生まれ。94年MBCタレント採用23期生。同年のドラマ「戦争と愛」でデビュー。96年「初恋」でブレークした。映画は「情け容赦なし」(99年)「ピアノを弾く大統領」(02年)「誰にでも秘密がある」(04年)に出演。「冬ソナ」などドラマでよく涙を流すため「涙の女王」と呼ばれる。特技は舞踊、エアロビクス、乗馬、スキー。174センチ。血液型A。
こんばんは。
このスポーツ新聞売り切れで買えなかったので、
詳しい記事を読めてとっても嬉しいです。
コピーしてメモに残します、
いつもありがとうございます。